ビッグモーターは損害保険各社と代理店契約を結び、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)や任意保険を販売していた。しかし、ビッグモーターの元社員は「保険会社と言えば、損保ジャパンだった」と両社の「特別な関係」を語る。
ビッグモーターで月に1度、経営陣が店舗を巡回する「環境整備点検」。その中には「保険目標達成のためパーフェクトタッチを活用」という項目があった。パーフェクトタッチとは何か。元社員は「来店する客全員に保険の営業をかけること」と説明し、続けた。「保険の営業は社員の間で『アタック』と呼ばれ、他社の保険から損保ジャパンに切り替えさせていた」
店には損保ジャパンの営業マンがよく顔を出し、成績が上がらないと毎日来ることもあったという。
損保ジャパンは、ビッグモーターの不正に関する内部告発を受け、他の大手損保2社とともにビッグモーターとの取引を停止したが、約1か月後に単独で取引を再開した。損保ジャパンの白川儀一社長は引責辞任を表明した今月8日の記者会見で、再開の理由を「他社に取引がシフトする懸念があった」と言及。一方で、不正は「局所的、限定的で、常態化しているとは認識していなかった」と釈明した。
元店長は「損保ジャパンが不正に気付かないはずがない。取引を解消されるのを恐れて、不正を黙認し続けてきた結果だ」と憤った。
元店長の男性は「各店の保険の売り上げ目標として、前年比約2割増が求められていた」と語る。成績不振の店長は毎月の「店長会議」後、罰金を徴収された。集められた罰金は、成績優秀な店長に回されることから「上納金」と言っていたという。「罰金制度は、損保ジャパンから出向していた担当部長が主導していた」と証言する。
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Source: バイク速報