充電設備、バッテリーなど課題山積な電気自動車(EV)が普及するわけない

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日本経済新聞を読んでいたら、気になるニュースが目に飛び込んできた。『EVインフラはや老朽化 充電器閉鎖2.5倍、普及遅れ拍車』という見出しで、電気自動車(EV)の充電器が老朽化しているという内容だ。

2010年代半ばに国が補助した公共のEV充電器が更新期に入り、23年の閉鎖・休業数は8月までで前年の2.5倍の2700口に達したのだという。かつてEV社会の到来を予期した民間企業たちが、自社の敷地内に充電器の設置をしたものの、月数回程度の利用しかないこともあったようで、続々と撤退をしているそうだ。14~15年当時、経済産業省が1000億円を投じた補助金事業で全国的な整備が進んだものの、20年度から充電器は純減しているという。

日経新聞はここから、欧州や中国ではEVの普及と充電器の整備が両輪で進み、EV後進国の日本はますます差をつけられる一方だと指摘している。「官民が歩調を合わせて取り組まなければ、負のスパイラルが定着しかねない」と記事を締めくくっていることから、日経新聞は経産省にまたしても大型の補助金を出させて、EV充電器の増加をさせたいと考えているのだろう。

まず、私たちが購入する上で最も大きな懸念材料は、充電時間の長さだ。一般の自動車がガソリンスタンドで給油をする場合、30分もかかったら利用者は怒ってクレームを入れるのではないだろうか。

驚くべきことに、日産「アリア B6」では、充電に20時間もかかる。6kWの充電器を設置したとしても10時間である。これでは、とてもではないが使い物にならないだろう。


急速充電(50kW)という特別なものを使えば30分で80%程度、1時間で100%程度、終わるというのがEV充電時間の相場だが、30分、1時間とはかなりの時間である。一般のガソリン車の給油時間が2分と考えれば、15倍以上の時間がかかることになりそうだ。

さらに、これはドライバーが我慢すればいいというものではなく、全てのクルマがEVになったとすれば、現状のガソリンスタンドにある給油機(2万8475カ所)ではまったく足りない。

家庭用に使うクルマであっても、遠出の旅行は避けたほうがよさそうだ。地方へ行けば行くほどに給電スポットが減るということも心配だが、もし移動で電力を使い果たしてしまったら、給電スポット付近で長時間の足止めを食らう羽目になるのだ。

他にも、購入をためらわざるを得ない理由はたくさんある。
「多くのEVの航続距離は150マイル(約241km)かそれ以下」
「EVバッテリーは、極端な高温や低温では性能を発揮しない」
「さらに、周囲の気温が氷点下になると、EVバッテリーを充電できなくなると報告した所有者もいた。これらの観察事象は、アラスカ・エネルギー・電力センター(ACEP)による21年の調査結果と一致している」

EVメーカーが公開しているカタログ値が問題だと指摘する自動車業界の関係者は多い。「カタログで発表されている数字の半分ぐらいしか走らないと想定しないと、問題が起きると考えている」(トラック業界関係者)というから、運送業界でもEVを様子見している会社は多そうだ。

現在、ガソリン車よりも優れた技術と利便性を提供するEVが数多く販売されている。しかし、EVの大量普及を成功させるには、充電とバッテリーの問題を解決する必要がある。

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Source: バイク速報

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