EVライター「日本で絶望的にEVが普及しない理由は『日本が貧困国だから』」

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さまざまな技術的課題を抱えながらも、世界的に普及が進む電気自動車(EV)。その一方で、日本での状況は立ち遅れているといわざるを得ない。

2023年11月の日本国内での軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は、34万4045台だ。この数字は新型コロナウイルスの影響を受ける以前の、

・2018年11月:35万7307台
・2019年11月:31万5735台
に匹敵する。

ただし、この数字に占めるEVの割合は小さく、34万4045台のうち、EVが占める割合はわずか
「3.2%」である。このうち、
・バッテリー式電気自動車(BEV)のシェア:1.9%
・プラグインハイブリッド車(PHV)のシェア:1.35%
である。

一方、ハイブリッド車(HV)を含む電動車全体のシェアは、前年の48.6%から53.6%へと大きく伸びている。この伸びは、環境意識の高まりや燃費の良さから、多くの消費者がHVへの乗り換えを選択していることを反映している。

本来、HVはEVへの橋渡し役として期待されるべきだ。しかし、実際はそうではなく、多くの消費者はHVに満足しているようだ。

国際エネルギー機関(IEA)が発行したリポート「Global EV Outlook 2023」によると、2022年の新車販売台数に基づく日本のEV普及率はわずか「3%」である。これは他国に比べて明らかに低い。欧州ではEVへのシフトが著しく、同リポートによれば欧州各国の普及率は高い順に

・ノルウェー:88%
・アイスランド:70%
・スウェーデン:54%
・デンマーク:39%
・フィンランド:38%

となっている。なお、中国は29%である。これに比べると、日本はもはや絶望的な低さである。

その結果、日本も市場参入の機会を失っている。2022年の世界のEV販売台数は約1020万台。このうち、約590万台は中国メーカーが占める。次いで米国が約99万台である。さらに欧州連合(EU)諸国では、ドイツが約83万台、英国が約37万台。一方、日本は約41万台である。割合で見ると、中国が世界市場の57.8%を占め、次いでEU諸国が25.5%。米国は9.7%。日本はなんと「1%」である。なぜ日本ではEVが普及しないのか。これまで、次のような理由が挙げられている。

・車両価格が高い
・航続距離が短い
・電力供給インフラの不足

筆者(川名美知太郎、EVライター)は、なんやかんや車両価格の高さを最大の理由と考えている。遠い未来の“主流”になると予想されるEVだが、同クラスのガソリン車に比べて約100万円高い傾向にある。小難しいことを抜きにして、この価格差が消費者にとって購入の大きな障壁となっていることは想像に難くない。

一例として、軽EVの日産「サクラ」や三菱「eKクロス EV」を見てみると、これらの車両は政府のクリーンエネルギー自動車(CEV)補助金を利用しても、上級グレードのスーパーハイトワゴンとほぼ同じ価格である。つまり、補助金があるとはいえ、ガソリン車と比較してEVを選ぶ際には、まだ大きな価格差があるのだ。

もちろん、維持費はガソリン車やディーゼル車より安いし、動力系統の構造がシンプルで部品点数が少ないため、メンテナンス費用も安い。それでも手を出さないのだ。車両価格の高さに戸惑うのは、いうまでもなく「今の日本が貧しい国」だからである。実にシンプルだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6dd2409535d62a6ddf8ac2b172d6878522f8609b


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Source: バイク速報

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