ダイハツ奥平社長が辞任、後任にトヨタの井上氏　認証試験不正で引責

ダイハツ工業の車両認証試験の不正を巡る問題で、同社は13日、奥平総一郎社長が辞任すると発表した。後任にはトヨタ自動車の井上雅宏・中南米本部長を充てる。大規模な不正が前例のない全車種の出荷停止という事態を引き起こした責任を取る。

　奥平氏は親会社のトヨタ自動車出身。ダイハツがトヨタの完全子会社となった翌年の2017年6月に社長に就いた。奥平氏とあわせ、ダイハツ生え抜きの松林淳会長も退任する。

　ダイハツが設置した第三者委員会の調査報告書は、奥平氏ら経営幹部が不正が起こることを想定せず、未然防止策を講じないまま、車の開発の短期化を推し進めたと指摘。その結果、開発の最終工程にあたる認証試験の担当者が「一発勝負の強烈なプレッシャー」にさらされていたとした。

　こうした点から、第三者委は「まずもって責められるべきは、不正行為を行った従業員ではなく、ダイハツの経営幹部」と強調していた。（中村建太）

朝日新聞　2024年2月13日 15時14分
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