中東の富裕層から冷ややかな目、「空飛ぶバイク」の開発会社が破綻したワケ

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プロ野球パ・リーグの北海道開幕戦が行われたドームは、大きな歓声に沸いていた。日本ハムの新庄監督が、見慣れない乗り物に乗ってさっそうと登場したからだ。

この乗り物は、空中を移動することができる「空飛ぶバイク」。
東京・港区のスタートアップ、「A.L.I.Technologies」(以下A.L.I.)が開発したものだった。

空飛ぶバイク(ホバーバイク)は、ガソリンと電気を使用し、備えられた6つのプロペラを回して浮上する仕組みだ。
仕様書などによると、最高速度は時速80キロに達し、最長でおよそ40分間飛行することができる。

価格は7700万円と高額だったが、2021年の秋頃には一般の顧客向けの販売も始まっていた。

関係者によると、取引先企業への未払い金などの負債総額は21億円余り。
従業員に支払われていない賃金もおよそ1億円に上るとみられている。
あの球場でのデモンストレーションから2年もたっていない。
あまりにも早い転落劇だった。

すでに空飛ぶバイクは一般向け販売にもGOサインが出ていたのだが、肝心の性能そのものはまだ不十分で、実用化するにはまだまだ開発途中だったのだ。

商品がまだほとんど売れていないなかで、アメリカで親会社を上場させて資金を集めようとしたがうまくいかなかった。
手元の資金が底をつき始めるなか、経営陣は起死回生の一手として、オイルマネーによって潤っている中東の富裕層に販売し、一気に挽回する計画を立てていた。

しかし、空飛ぶバイクは自由に空を飛び回るイメージとはほど遠く、地面からわずかに浮いて、およそ30秒間ほどホバリングしただけだった。
やはり、風が吹く屋外では、これが精いっぱいだったのだ。
現地にいた関係者は、UAEの要人がほとんど飛ばなかったバイクを冷ややかな目で見ていたことを覚えているという。

せっぱつまった状況のなかで、ある資金調達の話があったときのことだった。
山田さんら社外の取締役を含め、主要なメンバーが集められて会議が開かれた。

山田希彦さん
「契約書は、英語で何十ページにもわたって法律用語が書かれていて、解釈が非常に難しかったが、よく読むと、取締役会で承認を取っていない内容がいくつも明記されていました。今晩中にサインしてくれということで、多くの人は理解しないままサインしていたと思います」

https://www3.nhk.or.jp/news/special/jiken_kisha/kishanote/kishanote88/


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Source: バイク速報

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