この水素ガスタービンコージェネレーション発電機開発を行なっているのがHySTRAのプロジェクトリーダーでもあり川崎重工業 水素戦略本部副本部長 執行役員でもある西村元彦氏。水素プロジェクトの前は、310PSを発生するカワサキ「H2」のモーターサイクル用スーパーチャージドエンジンの開発に携わった技術者でもある。
西村氏によると、この水素発電機は水素ジェットエンジンを地上に置いて使っているようなものであるという。供給される水素は、レシプロエンジンで15気圧に昇圧。それを燃焼室に送り込んでいる。
現在使っている燃焼方式は川崎重工が開発したウェット燃焼方式で、「ミキサーのところに送り込む水素と天然ガスの量を調整することで水素100%でも天然ガス100%でもあるいは両者の混合ガス、どんな濃度でもこのガスタービンに供給できるようになってます」という。
発生する馬力は2000馬力以上で、タービンを2万2000rpm以上で回転。それを減速して3000rpm程度で発電機を回している。
水素を燃やす上で問題となるのがNOx(窒素酸化物)の発生。西村氏によると水素は天然ガスより7倍速く燃え、ホットスポットができやすいのだという。そのホットスポットによってNOxが発生するため、「水を噴射するスプレーですね。結構ベタなやり方で大気汚染防止法、70ppm以下を達成しました」(西村氏)とのことだ。
ただ、この方法だと水をかけるため燃焼効率が下がるという。この1MW級の発電設備で年間数千万円ほど、30MW級の発電設備で年間で数億になるという。この水をかけるウェット燃焼におけるデメリットを克服する水素の燃焼方式が、川崎重工が取り組んでいるドライ燃焼方式になる。
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