文豪・夏目漱石像が立つ上熊本駅前から市中心部に向かう県道、通称「わが輩通り」。問題の右折レーンがある交差点は、ゆるやかな左カーブの県道を駅から100メートルほど南に進んだ場所で、市電が走る市道へと分岐するY字路だ。
進行方向に向かって二つの信号機が見え、一つは右折レーンのほぼ正面に位置する。さらに右折レーンの停止線は通常の実線ではなく、白色の破線。交差点を過ぎた直後の県道には、押しボタン式の横断歩道がある。
実際に交差点で30分間、観察してみた。歩行者が押しボタンで横断したのは7回で、その時のみ車道側が約30秒間、赤信号に切り替わる。右折レーンの車は7回中6回、信号が青になるまで停車した。どうやら「止まる」派が多いようだ。
道路管理者の市と県警に取材すると、正解は「止まらない」。右折レーンの正面にある信号は、県道の横断歩道用の補助信号で、赤信号で停止するのは県道側を直進する場合のみだという。熊本中央署は「県道の横断歩道用の信号に関係なく、市道方面へは対向車線の安全確認をして右折してほしい」と説明する。
では右折レーンの破線の停止線は、実線の停止線と何が違うのだろうか。通常の停止線は道交法に基づき都道府県公安委員会が設置するが、破線は市町村が法定外に設置する「指導停止線」となる。このため停止しなくても取り締まりの対象にならない。「停止して周辺の安全確認するのが好ましい位置の目印」(市西区土木センター)だという。
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Source: バイク速報