なぜ横断歩道の白線は横線だけ引かれた「ゼブラ柄」なのか

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街で見かける「横断歩道」。日本全国どこへいっても存在するものなので、普段はあまり気にせず通過していることが多いのではないでしょうか。

そんな横断歩道ですが、かつては縦の白線も引かれていたのに、現在は横の白線のみになっていることに気付きます。

横線だけになったのはなぜなのでしょうか。

日本で初めて横断歩道が誕生したのは1920年(大正9年)。路面電車線路を渡るために作られたもので、当時はシンプルな縦線2本だけの「電車路線横断線」と呼ばれていました。

1960年(昭和35年)に横断歩道表示の法律化が定められ、それまでの2本線タイプと側線付でゼブラが中央で食い違うデザインの2種類が存在。その後1965年(昭和40年)に単純な側線付のハシゴ型ゼブラ模様へと変化しました。

さらに、1985年(昭和60年)から国際化を目的とした調査が進み、平成に入って国際的横断歩道表示の採用がスタートしました。

総理府・建設省令「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」が1992年(平成4年)11月1日より施行され、ハシゴ型ゼブラ模様から両端の側線を省いた国際的なデザインへ変更がおこなわれ、横線だけのゼブラ柄デザインへと進化し、現在に至ります。

この横線だけの横断歩道には、おもに4つのメリットが存在します。

まず、「水はけが良くなる」ということです。横断歩道の白線は、アスファルト面より盛り上がります。縦の側線を残したかつての横断歩道はゼブラ柄と側線で囲われるので、水が溜まりやすくなることからクルマが走行すると水撥ねが発生。

また、水が溜まりやすくなることで、アスファルトとタイヤのあいだに水膜が発生してスリップする危険性もありますが、側線がなければ水はけが良くなります。

さらに、「設置にかかる時間が短縮される」こともメリットのひとつ。側線がないことから、塗料はもちろん、施工時間や人件費の削減と同時に、交通規制なども短時間で済み、交通渋滞緩和に繋がっています。

ほかにも、「ドライバー視認性の向上」があげられ、ドライバーからの視点では側線がない横断歩道のほうが浮き上がって見えるので運転中に認識しやすいとされており、視認性を向上させることで事故防止につながるという訳です。

道路が黒やグレーなので、横断歩道や路面に描かれる道路標示にはもっとも映える白が多く採用されています。

しかし、雪国などでは降雪によって横断歩道が見えなくなってしまうこともあり、緑色や別の色で横断歩道周辺を明示して視認性を確保している地域もあります。

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Source: バイク速報

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