では、輸入車はどうだろうか。電気自動車といえばテスラの名前が一番に出てくるだろうが、同社は具体的な数字を発表しない方針だ。そのため総合的な統計データから推測するしかないが、同じく2021年8月における日本での販売台数は500台強といったところだ。
ほかにも国内外のブランドから電気自動車は出ているが、リーフやテスラがこの規模であるということは、その他の販売状況も推して知るべしだろう。冒頭で記したように欧州ではプラグイン車のシェアは拡大しているが、日本ではその数が増える気配はない。
実際、電気自動車などの補助金事業を行なっている次世代自動車新興センターの統計(推定値)を見てもそうした傾向は明らかだ。(http://www.cev-pc.or.jp/tokei/hanbai3.html)
2014年から2019年までの電気自動車の年間販売台数は、おおよそ2万台規模で、しかもピークは2017年の2.3万台となっている。プラグインハイブリッド車も2017年に3.4万台を販売したのをピークに減少傾向となっている。
軽自動車を除いても日本での乗用車販売というのは年間300万台のスケールとなっている。つまり新車販売におけるプラグイン車のシェアは多い年でも2%足らずなのである。
良し悪しは別として、数字は日本のユーザーはプラグイン車を求めていないことを示している。それはハイブリッドカーの環境性能が進化して、プラグイン車よりローコストゆえに普及しているからという事情もあるだろうが、日本市場は独自の電動化を進めている。
世界的な電気自動車トレンドは認めつつも、日本市場に合わせるのであればエンジンを積んだハイブリッドカーに注力するというのはマーケットの特性を考えれば当然だ。そうして日本市場に最適化した商品が用意された結果、プラグイン車が売れないという状況になっているともいえる。
ただし、この状況がずっと続くとはいえないのも事実。パリ協定など世界的にCO2の排出量削減が求められている。日本政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言したのも、そうした流れを受けたものだ。
カーボンニュートラルを目指すとなると、わかりやすいところでいえば原油の使用量が制限されることになる。そうなると、燃費性能に優れたハイブリッドカーであっても現実的に走らせることが難しいという時代がやって来ることは明らかだ。
そうしたロードマップが見えているからこそ、世界中の政府がエンジン車の新車販売禁止について明確な目標を提示しているわけだ。はたして、これほどまでにプラグイン車を嫌っているように見える日本のユーザーは、ドラスティックな変化を受け止めることができるのだろうか。
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Source: バイク速報