https://gigazine.net/news/20240507-sodium-ion-battery/
スマートフォンや電気自動車をはじめとする多くの現行製品に使用されているリチウムイオンバッテリーには、環境破壊や資源の枯渇といった問題が付きまといます。リチウムよりはるかに豊富に存在しているナトリウムを使用し、リチウムイオンバッテリーより高速で充電できる新機軸の電池「ナトリウムイオンバッテリー」の商業生産に着手したと、アメリカのスタートアップ・Natron Energyが発表しました。2013年設立のナトリウムイオン技術ベンチャー・Natron Energyは2024年4月29日に、ミシガン州ホランドにある製造施設でナトリウムイオンバッテリーの生産を開始したことを発表しました。
Natron Energyがナトリウムイオンバッテリーの生産を発表したのは2022年のこと。2023年に予定されていた操業開始は後ろ倒しになりましたが、アメリカでナトリウムイオンバッテリーの商業規模の生産が始まったのはこれが史上初とされています。
発表によると、Natron Energyのバッテリーはリチウムイオンバッテリーの10倍の速度で充放電し、即時の充電も可能であるため、短いサイクルで充電と放電を繰り返すバックアップ用バッテリーに適しているとのこと。また、5万サイクルという推定寿命も、この用途に向いています。
その一方で、2022年の記事には「Natron Energyのバッテリーのエネルギー密度は70Wh/kg」と記載されており、モバイル用途にするにはこの2倍以上は必要とされているため、当面は据え置き型のみが生産される計画です。2021年に160Wh/kgのナトリウムイオンバッテリーを発表し、電気自動車向けに200Wh/kgのエネルギー密度の実現も目指している中国のバッテリーメーカー・CATLなど、競合他社も続々とこの分野に参入しています。
続きを読む
Source: ゆめ痛 -NEWS ALERT-