世間が知らない「トラックドライバーがエンジンを切らない理由」

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1: 2021/08/21(土) 10:00:09.62 ID:bz5JFYU+9

Yahoo!記事8/20(金) 8:10
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20210820-00254074

トラックでの待機の場合、窓は開けてはいられるが、鉄の塊の中での待機は、やはり相当暑い。中には、エンジンを切っても使用できる「蓄冷機」が付いているトラックもあるが、真夏の炎天下ではただの風。しかも数時間で切れてしまう。

また、最近よく聞く外付けのエアコンも、費用がかさむため設置に積極的な運送企業は限られる。

そんな暑さの中、車内待機させられるトラックドライバーに聞いた「実行している暑さ対策」には、耳を疑いたくなるものもある。

さらに、冷蔵冷凍車に乗っているドライバーの中には、その箱(荷台部分)の中に避難するという人も。

一方、冷蔵冷凍車ではなくただの箱型トラック(箱車)の場合は、直射日光をモロに受けるとその箱の中が灼熱地獄になる。

彼らはこのクーラーなしの待機のあと、今度はその荷台の箱に入って、時に1000を超える荷物の積み降ろし作業をすることになる。

こうした昨今の殺人的な暑さと、現場で死亡事故が多発している現実に鑑み、最近ではアイドリングを許可してくれる荷主や工事現場も増え始めた。

が、現場が許しても所属している運送業者が許可しなかったり、その逆のパターンもあったりするため、まだまだ待機中に汗を拭うドライバーは少なくないのが現状だ。

世間からも「アイドリングは環境によくない」、「エンジンは切れ」という声が聞こえてくる。

無論、不要なアイドリングはするべきではないが、その前にまずは外気温35度の日の車内に長時間座ってみてほしいというのが、現場の切実な願いだ。

トラックにはこうした熱中症対策以外にも、エンジンを切れない理由がいくつかある。

中でも現場から「知っておいてほしい」という声が大きいのが「冷蔵冷凍車」の存在だ。

実はこの冷蔵冷凍車には、エンジンを切ると、その冷蔵冷凍機能まで切れてしまうタイプがあり、エンジンを切りたくても切れないケースがあるのだ。

さらにトラックには、どうしてもエンジンを切ってはいけない瞬間がある。それは「すす焼き」という、トラックの構造上必要不可欠な浄化作用中においてだ。

道路を走る最近のトラックを見て、気付くことはないだろうか。

昔と比べて、後続車のドライバーが息を止めたくなるような黒い煙を吹かしていないのだ。

それは、「排ガス規制」というルール制定後、それに準ずるトラックが製造されているからだ。

その排ガス規制仕様のトラックには、「排出ガス浄化装置」という、排ガスに含まれる有害物質を取り除くフィルターが搭載されている。

そして、ここに溜まった「煤(すす)」を排除する作業、通称「すす焼き」をしないとフィルターが詰まり、エンジントラブルが起きてしまうのだが、その際、ドライバーがしてはならないのが「エンジンを切る」ことなのだ。

つまり大きく言い換えれば、「環境のためがゆえのアイドリング」なわけなのだが、こうした裏事情を知らない世間からは、「今すぐエンジンを切れ」などといった声が投げられることもある。

このように、トラックにはエンジンを切りたくても切れない事情がいくつかある。

もちろん必要のない時はエンジンは切っておくべきだが、「うるさい」「環境破壊だ」と頭ごなしに批判せず、まず彼らのその労働環境に目を向けてみてほしい。

しかし、そうはいっても四六時中トラックの騒音や排ガスに悩まされている人がいることも事実。

コンビニの大型車マスは、トラックドライバーが気兼ねなく駐車できる文字通りの「オアシス」だが、その場を提供してくれているコンビニからも、長時間駐車をするトラックドライバーに対する苦情が筆者のもとにまでやってくる。

こうした社会への迷惑の根源になっているものは何かと考えれば、結局これまでにも述べてきた「駐車場不足問題」に回帰するわけだが、トラックには現状いかんせん、気兼ねなく利用できる駐車スペースが非常に少ない。

顧客第一主義のもと、「延着(予定時間に遅れること)」はもちろん、「早着(予定より早く着くこと)」も許されず、「近くでの待機」を求められるも、その場所は荷主から提供されない。

そうすれば、彼らが行きつくところは、必然的に現場近くの路上やコンビニの駐車場となり、社会に迷惑を掛けながらの長時間待機を強いられることになるのだ。
(一部略)



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Source: 乗り物速報

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