なぜ日本のナンバープレートが中国で爆売れしているのか。長年にわたって、転売を行う専門業者・A氏が明かす。
「実は日本車のナンバープレートの転売自体は、十数年前から密かに行われていたんです。中国では人口増加に伴う排ガス規制で、ナンバーによって運転できる曜日が決まっています。そのため当初は、偽造ナンバープレートを作るための素材として取り引きされていたんですよ。しかし10年ほど前から、デザイン性自体に注目が集まるようになりました。いまはインテリアや愛車をお洒落に見せるファッションアイテムやコレクションとして、富裕層の間で人気が高まっています。
私も昨年だけで約200件の転売を行い、売り上げは1000万円を超えました。人気があるのは、ゾロ目やひと桁ナンバー。加えて中国人も知っているような『富士山』や『横浜』『湘南』などの有名な地名のプレートは需要が高いです。そして、何より一番大切なことは縁起が良いかどうか。『6、8、9』といった数字は中国ではラッキーナンバーと呼ばれて、実際に品川ナンバーの『8888』が50万円で売れたこともあります」
A氏は常に200枚ほどのストックを持つようにしているという。どのようにして販売しているのか。
「主にSNSを使って売っています。太客がいるLINEグループがあるので、そこで購入者を募ります。これ以外はツイッターやフェイスブックの会員制コミュニティですね。専門の裏サイトで転売している業者もいます」(A氏)
ここ数年でトレンドは大きく変化しているとも語るA氏。その一因はコロナ禍の長期化である。日本への渡航ができなくなった影響で、地方の有名観光地のナンバーがよく売れているという。
「最近は九州や東北が良く売れる傾向にあります。なかでも北九州や福岡ナンバーは、観光客が多かった影響からか、とくに人気を集めています。現在、日本ではナンバープレートにICチップを取りつけ、個車情報のデジタル管理や盗難防止を推進する『スマートプレート』の導入が進んでいますが、完全に普及するまでにはまだ何年もかかるでしょう。しばらくは中国の”日本ナンバー市場”が消えることはありません」(A氏)
だが、SNSや裏サイトで出回っているものは盗品がほとんどだ。
「窃盗団は高値で売れるナンバーを路上などで見つけると、特殊なドライバーを使って外し、5分ほどでプレートを持ち去っていきます」(A氏)
言うまでもなく、転売も違法行為である。早急な対応が必要だろう。
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Source: バイク速報