運転免許を取得する目的は人それぞれですが、日常の移動手段としてクルマが必要不可欠である地域に在住しているためであったり、あるいは将来的にクルマの運転が必要になる可能性が高いことを見越してだったりというケースが多いようです。
一方、なかには「資格」のひとつとして、将来の就職や転職に有利になる可能性を考慮して、運転免許を取得するという人もいます。
また、それが主目的ではないにせよ、運転免許を取得したことで、履歴書の「資格」欄が空白にならずに済んだという人は、意外と多いかもしれません。
実際に、少しでも就職や転職に有利になるように、あるいは自分磨きのために資格の取得に励む人は少なからずいます。
例えば、就活中の大学生向けのメディアを見ると、在学中に取得しておくべき資格として、「日商簿記検定」や「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」などと並んで、運転免許が挙げられています。
しかし、日商簿記検定やMOSが民間資格であるのに対して、運転免許は国家資格であり、なかでも「業務独占資格」と呼ばれるものです。
この点が、運転免許が、ほかの多くの民間資格とは根本的に異なるものといわれる理由です。
では、業務独占資格とはどのような意味を持っているのでしょうか。
これは、端的にいえば、その資格を持たない人が携わってしまえば、刑事罰が与えられるものということになります。
いうまでもなく、運転免許を持たない人が公道でクルマを走らせると「無免許運転」として検挙の対象になります。
仮に、十分な運転スキルを持っていたとしても、運転免許を持っていないということが問題となります。
一方、日商簿記検定やMOSなどの民間資格は、基本的にはその能力を客観的に示すためのものです。
もし日商簿記検定1級を取得していれば、相当な会計知識を持っていることがわかります。
しかし、たとえ日商簿記検定1級を取得していなくても、高いレベルの会計知識を持っている人であれば、その力を発揮することは決して悪いことではありませんし、当然のことながら違法行為になることもありません。
日本で定められている業務独占資格には、医師免許や看護師免許、弁護士や税理士、美容師などがあります。
ただ、これらの免許(国家資格)を取得するためのハードルは非常に高く、相当な覚悟を必要とするものです。
一方、運転免許の保有者は2019年時点で8215万8000人となっており、民間資格を含めたすべての資格・免許の中でも圧倒的な数を誇っています。
このことからもわかるように、運転免許の取得自体は決して難しいものではありません。
かし、公道での運転という、本来法律では禁止されている行為を、国によって特別に許可されているものであるということを忘れてはいけません。
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Source: バイク速報